【完全網羅】Google広告のP-MAXとは?設定方法や注意点も解説
更新日:2024.04.05
公開日:2024.04.05
P-MAXキャンペーンは従来の広告とは異なり、機械学習による自動化を特徴としていることから、広告運用の効率化や成果向上を実現できます。
しかし、
「P-MAXキャンペーンにはどんなメリットがあるの?」
「P-MAXキャンペーンの使い方が分からない…」
というお悩みをお持ちの方もいるかもしれません。
そんな方のために本記事では、P-MAXキャンペーンのメリットや注意点、設定方法などを徹底解説しました。
P-MAXキャンペーンを始めたい方や、P-MAXキャンペーンを使いこなしたい方はぜひ参考にしてください。
Contents
P-MAXキャンペーンとは
P-MAXキャンペーンとは「Performance Max(パフォーマンスを最大化)」の略称で、あらゆる広告枠に1つのキャンペーンで広告配信できる2021年から始まった新しい配信サービスです。
P-MAXキャンペーンは、
- Google検索
- Googleショッピング
- Googleディスプレイ
- Gmail
- Googleマップ
- Discover
- YouTube
など幅広いチャネルへ広告掲載できます。
また、予算・目標・アセット(テキストや画像など)を登録するだけで最適なパフォーマンスをAIが自動で行ってくれることや、広告グループの設定が不要など、圧倒的に運用が楽といった特徴もあります。
よって、P-MAXキャンペーンは成果の最大化を目指したい、効率的な運用をしたいという人におすすめの配信サービスといえるでしょう。
P-MAXキャンペーンのメリット
自動化による効率的な広告運用
P-MAXキャンペーンを使うことで、広告運用の大部分を自動化できるため、工数を大幅に削減することが可能です。
具体的には以下の作業が自動化されます。
配信・ターゲティング
検索、ディスプレイ、YouTubeなど、Google広告の全配信面に最適な広告を自動で配信します。個々のキャンペーン設定は不要です。
クリエイティブ
登録した画像や動画素材を組み合わせて、様々なバリエーションの広告クリエイティブを自動生成します。
入札単価の調整
目標値を登録することで、その目標達成に向けて、コンバージョン単価や獲得単価などの目標指標に基づき、入札単価を自動で調整します。
予算配分の自動最適化
配信面やクリエイティブごとに最適な予算配分を自動で調整します。
このような自動化は、工数や労力の削減だけでなく、膨大なデータを扱うことによる人為的ミスを排除することにも役立ちます。
よってP-MAXキャンペーンは、効率的な運用と損失回避の2つの面から大きなメリットのある配信方法といえるでしょう。
コンバージョンに特化
P-MAXキャンペーンは、コンバージョン獲得に特化して設計されています。
具体的には以下の機能により、コンバージョン獲得を効率化します。
目標設定
コンバージョン数、コンバージョン単価など、具体的な目標の詳細を設定できます。
AIの機械学習によって、ユーザーの行動データや広告効果データを分析し、目標達成に向けた最適な配信を行うことが可能です。
AIによる潜在顧客の発掘
さまざまなチャネルに広告を配信することで、AIが潜在顧客のデータを分析して最適な運用を学習していきます。
このような機械学習が進むことによって、あらゆる膨大なデータから人為では見つけにくい潜在層へのアプローチを行うことが可能になるのです。
自動化だからこそ従来のターゲティングではリーチできなかった、新たな顧客層の獲得につながり、コンバージョン数の増加が期待できるでしょう。
【図解あり】P-Maxキャンペーンの設定方法
①キャンペーンの選択
キャンペーンの画面から「+」のアイコンをクリックし「新しいキャンペーンを作成」を選択してください。
P-MAXキャンペーンを利用するためには、
- 販売促進
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 来店数と店舗売上の向上
- 目標を指定せずにキャンペーンを作成する
のいずれかを選んでください。
キャンペーンタイプの「P-MAX」を選択し、「続行」をクリックしてください。
キャンペーン名は内容が把握できるような分かりやすい名前にすることをおすすめします。
②単価設定
重視している要素は「コンバージョン」か「コンバージョン値」のいずれかを選択してください。
コンバージョンを選択した場合は「目標コンバージョン単価」、コンバージョン値を設定した場合は「目標広告費用対効果(ROAS)」を任意で設定することも可能です。
リピーターではなく新規顧客の獲得をメインに行いたい場合は「新規顧客に限定して入札単価を設定」にチェックを入れましょう。
③キャンペーン設定
地域の設定では、全世界で配信したい場合は「すべての国と地域」、日本での配信をメインとする場合は「日本」にチェックを入れてください。
特定の範囲で配信したい際は「別の地域を入力する→検索オプション」を選択し、半径〇Km(マイル)など、配信範囲が設定できます。
言語では、日本で配信する際は「日本語」にチェックを入れるなど、配信先に合わせた言語を選択してください。
その他の設定では、広告の配信スケジュールを詳細に決めることができます。
また、最終URLページが指定されている場合には、「関連性が最も高いご自身のURLにトラフィックを送信する」にチェックを入れるようにしましょう。
④アセットグループ設定
アセットグループでは、テキスト・画像・動画を登録することができます。アセットのバリエーションを豊富にすることで多くのユーザーに配信できる可能性が高まります。
以下の項目を入力してください。
- アセットグループ名
- 最終ページURL
- 画像(最大20枚)
- ロゴ(最大5個)
- 動画(最大5本)
- 広告見出し(半角30文字、全角15文字以内、最大15個)
- 長い広告見出し(半角90文字、全角45文字以内、最大5個)
- 説明文(簡易的な説明は半角60文字、全角30文字、その他の説明文は半角90文字、全角45文字以内で最大4つ追加できます)
- 会社名(半角25文字以内)
また、画像については以下の推奨サイズを用意しましょう。
- 横長(1.91:1)→1,200×628
- スクエア(1:1)→1,200×1200
- 縦長(4:5)→960×1,200
- ロゴ(1:1)→1,200×1,200
- 横向きロゴ(4:1)→1,200×300
「その他のアセットタイプ」を選択することで、コールアウト・サイトリンク・価格表示オプション・電話番号などさまざまなオプションを追加することも可能です。
⑤予算設定
1日あたりの平均費用を設定してください。
(※平均費用のため、日によっては設定額を超えることもあります)
⑥オーディエンスシグナル
オーディエンスシグナルでは、ターゲットとなる性別・年齢・興味関心などを設定できます。
自社のターゲット層に向けた設定を行ってください。
P-MAXキャンペーンの注意点
P-MAXキャンペーンは、効率的な運用が可能なだけでなく成果の最大化を図れる配信方法です。
ただし、別の配信方法にはない注意点も存在するため、以下の注意点を考慮して運用するようにしましょう。
分析や改善が困難
P-MAXキャンペーンは細かな設定を行わないが故に、成果が悪化している要因を掴みにくいといったデメリットがあります。
AIによる配信は効率的ではあるものの、どのような意図で配信を行っているのかが詳細には分からないため、細かな説明をしたり改善案を生み出したりすることは困難といえるでしょう。
検索広告やディスプレイ広告のように、緻密な分析はできないことを念頭に置いておきましょう。
成果を出すためにはある程度の時間と予算が必要
P-MAXキャンペーンは、短期間での配信や低予算での配信にはあまり向いていません。
機械学習で成果を出すためには、一定の学習期間や効果的な運用予算が必要になるためです。
Google広告の公式ヘルプでは、配信から少なくとも4 週間以上はデータを収集するための「テスト期間」として確保するようにと説明されています。
最適化された配信を行うためにも、時間と予算に余裕を持たせることを心がけましょう。
P-MAXキャンペーンの効果的な運用ポイント4選
P-MAXキャンペーンは、自動化による効率化と成果向上に強みを持つ広告キャンペーンです。
P-MAXキャンペーンの注意点を踏まえ、効果的な運用に向けて以下のポイントを押さえましょう。
①別のキャンペーンと併用する
P-MAXキャンペーンは他のキャンペーンと併用することで、さらなる効果が期待できます。
例えば、検索キャンペーンはユーザーの検索意図に沿った広告配信が可能です。一方、P-MAXキャンペーンでは、潜在顧客へのリーチや新規のコンバージョン獲得が期待できます。
このように、それぞれの良い面を補完し合いながら併用することで、P-MAXキャンペーンの効果的な配信が実現できるのです。
②広告のアセットを充実させる
P-MAXキャンペーンは、アセット(※)を充実させることで、配信面やユーザーに合わせた最適なクリエイティブを自動で生成します。
(※広告見出し・説明文・画像・動画などの素材)
アセットを充実させればさせるほど、より多くのユーザーに配信できる可能性が高くなり、配信機会を取りこぼさないようになります。
また、機械学習に必要なデータ量が増えることでAIの最適化が促進も期待できます。
③正確なオーディエンス情報を学習させる
P-MAXキャンペーンは、カスタマーマッチリストやファーストパーティーデータなど、正確なオーディエンス情報を設定することで、より適切なターゲティングが可能となります。
機械学習の精度を高めるため、以下の情報を意識して設定しましょう。
- 過去の購入や問い合わせがあった顧客のリスト
- ファーストパーティクッキーのデータ
- 既存のオーディエンスリスト
このような既存データや過去データを蓄積することで、AIが参照データとして有効活用するようになり、効果的な配信につながります。
④除外設定を活用する
P-MAXキャンペーンでは、自社の商品やサービスに関係のないキーワードや配信面を除外することができます。
広告を表示させたくないキーワードやリストを設定することで、適切なターゲティングが可能となります。
無駄な広告費を抑え、配信効果を向上させるためにも、除外設定については十分検討するようにしましょう。
P-MAXキャンペーンで効率化と成果の最大化を!
P-MAXキャンペーンは運用工数の削減やコンバージョン獲得など、非常にメリットの大きい次世代配信サービスです。
一方で、分析が困難な点や予算と時間が必要な点などの注意点もあるため、自社(またはクライアント)の現状・目標を踏まえながら運用することをおすすめします。
P-MAXキャンペーンの特性をしっかりと理解し、適切な運用を心がけましょう。